
突発性難聴に対する急性期鍼治療を行っています。病院と並行して、鍼治療をご希望の方は、是非ご相談ください。
研究によっては、病院治療のみよりも鍼灸を併用したほうが改善率が高いとする報告もあります(例: ある研究では西洋医学のみで65%程度の改善率に対し、鍼灸併用で87%程度)。

当院は、開院初期より突発性難聴の治療に取り組んで参りましたので、15年以上にわたる治療経験がございます。例えば、鍼治療による、首肩の筋緊張の緩和は、突発性難聴の回復につながります。

突発性難聴の発症から1ヵ月半以内であれ、週2回、または2~3日に1回,のペースで6回~12回を目途に集中的な治療を行うことで、高い回復率を得ています。突発性難聴の鍼治療は1回7,000円ですが、回数券ですと1回6,500円となります。

突発英難聴の治療は「内耳の炎症を抑える」、「内耳への血流を増進する」ことが重要です。是非、耳鼻科での治療と鍼灸を並行して頂くことをお勧めします。当院の鍼灸治療では、お身体全体や自律神経の状態も含めて診ていきます。

当院は耳周りだけでなく、首肩背中も念入りに治療していきます。また、自然治癒力を高めるため自律神経系(血管拡張・免疫増進)へのアプローチも行います。特に、重要となるのが椎骨動脈、迷路動脈(内耳へ血液を送る唯一の血管)です。

通常は耳から首周辺に12本~30本の鍼を使用します。首から耳周りに「しっかりと鍼をする」ことで、内耳へと交通する椎骨動脈や内耳海綿体毛細血管の血流を増幅させます。

突発性難聴の一般的な治療は、ステロイドの内服や点滴、鼓室内注射です。鍼治療は、ステロイド治療とも相性が良いと考えています。 症状が重いようなら連続的な治療をお勧めする場合もあります。どうしても都合がつかない方には、1回ごとの治療の刺激量を強くするようにします。
突発性難聴とは
ある日突然、片方の耳が聞こえなくなる!?突発性難聴とは?

著明なミユージシャンらが、その病歴を自ら公表したことで知られている突発性難聴は、 ある日突然、片方の耳の聞こえが悪くなるという病気です。聴力障害のほか、耳鳴りや一過性の目眩・吐き気を伴う場合もあります。突発性難聴の正確な原因は不明ですが、以下のような要因が関係していると考えられています。
🔹 ウイルス感染説(風邪やヘルペスウイルスが影響)
🔹 内耳の血流障害(ストレスや疲労で血流が悪化)
🔹 自己免疫疾患(免疫システムが内耳を攻撃)

当院の突発性難聴回復例
40代女性の突発性難聴治療例
こちらは突発性難聴を発症した40代女性の聴力検査推移です。発症初期に近隣の耳鼻科でステロイドを3日間内服するも改善せず。発症から1週間後に当院にて鍼治療開始。
別の耳鼻科専門病院でステロイドの点滴を受けながら、並行して当院で鍼治療を受けた結果、発症から約1か月後に聴力がほぼ回復した最近の例です。

30代女性の突発性難聴治療
こちらのオージオグラムは突発性難聴を発症し、当院で治療を行った方の聴力検査推移です。発症5日目から鍼治療を開始し、右聴力ほぼゼロから1か月で大幅に改善した最近の例です。これらのように鍼は劇的に効果が得られる場合があります。

50代男性の突発性難聴治療例
左耳に突発性難聴を発症。一過性の強いめまいを伴って左聴力が60db以下に低下(図)。総合病院耳鼻科受診にてステロイドを1週間服用したが聴力改善せず。
発症後2週間後に、難聴、耳閉塞感、耳圧迫感、強い耳鳴りで当院を受診し鍼治療を開始した例。鍼治療開始後、1か月で左聴力平均30dbまで回復。
発症から2か月後の検査では聴力ほぼ全快(図)となりました。医師からは「(ステロイド無効例で)ここまで著名に回復する例は珍しい」と言われたとのことです。(鍼治療頻度;初めの3週間は1~3日に1回のペースで治療。)

突発性難聴に対する鍼治療
例えば、朝目が覚めると片方の耳がキーンと閉塞感を伴って、極端に聞こえが悪くなっているというケースが患者さんの中では多く、すぐに耳の異変に気づくことがほとんどです。
万一、突発性難聴の症状が現れたら、症状を放置せず、速やかに病院を受診することが大切です。耳鼻科医院や大学病院などの高次医療機関では、薬物療法、高酸素療法を中心に、状態が重い場合には入院加療を行う場合もあります。
突発性難聴の病態
突発性難聴の原因は良くわかっていませんが、蝸牛への血流不全(虚血性)、内耳循環障害が有力視されています。またウィルスや細菌への感染、気圧外傷(スキューバーダイビングなど)、頭部外傷などが原因となる場合があるようです。
通常、鼓膜から耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)へと伝わり増幅された振動は、蝸牛の蝸牛窓から外リンパへ伝わります。

外リンパの振動は内リンパを振動させ有毛細胞などのコルチ器を刺激します。有毛細胞によって、振動刺激は電気信号へと変換されます(神経の脱分極)。
変換された電気信号は、らせん神経を伝わり、さらに束となった蝸牛神経(内耳神経)を経て、最終的に大脳皮質の聴覚野に伝わり様々な音として認識されます。 神経細胞がこれらの活動を維持していくためには、血液から共有される栄養と酸素が不可欠です。
また、内リンパで有毛細胞が脱分極を起すには膜内外のイオンバランスが正常に保たれている必要があります。また、電気信号を脳へと伝える神経線維の圧迫や炎症、血流不全なども難聴を来す原因となります。
発症早期の集中的な鍼治療
突発性難聴は、発症からできるだけ早く治療を開始することが重要です。 突発性難聴は数週間のうちに聴力に改善が得られない場合は、聴力を大幅に失ってしまうこともある難病です。 ステロイドや血流改善薬は全身に強く作用します。
一方で、鍼治療には病巣に直接刺激を与えて滞りを改善する効果があります。また、鍼で局所的な血流を大幅に向上させることで、薬を効きやすくするという効果が期待できる場合があります。ですから、病院での治療と並行して鍼治療もできるだけ早く受けるようにすると、回復率が向上するという実感を、多くの症例より得ています。
突発性難聴の患者さんを何例も治療しておりますと、耳から首への移行部位に、いわゆる病巣(反応点)といわれる箇所を多くの患者さんに発見します。 また、頚部のリンパ浮腫や局所的な冷え、背中の筋肉が極端に張っているなど、聴力以外にも身体に反応がみられる場合が多いので様々な所見を見逃さないことが重要です。

治療の流れ(所要50分~60分)
- 問診・触診
- うつ伏せ位で頸・肩・背中・(手足)への鍼治療
- 鍼の刺激を緩和するためのマッサージ
- 仰向け、又は横向きで頚部・耳回り・頭部への鍼治療
当院の治療は個々の症状に合わせて治療を行う完全オーダーメード治療ですので 上記の治療の流れは一般的な例です。
突発性難聴に対する治療(税込)
- 治療費用1回 7,000円
- 初回は別途初診料2,500円
- 治療は予約制です。
(TEL 03-5980-7511)