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視覚障害者鍼灸師 松本みつ代から皆様へ

皆様、こんにちは。 オアシス治療院で、鍼灸治療、及び リンパドレナージュ(リンパ浮腫に対するオイルマッサージ)を担当している松本です。

私は、目に障害があります。以下、私の自己紹介です。

どんなに辛い境遇でも夢や希望を持ち続けることが大切

私は、目が徐々に見えにくくなっていく難病を抱えています。

まだ普通に見えていた頃は、印刷データを作成する仕事に従事しており、そこで編集からの赤字のチェック漏れが目立ち視野が欠損していることがわかりました。

症状が進行し、やがて印刷の仕事を続けて行くことに限界があると感じ退職しました。

目が見えにくくなっていく中でピンチをチャンスに

以前できていた事が出来なくなっていくショックと、好きな事が視覚に偏っていたので、今後何を楽しみに生きればいいのかと一時は人生の目標を失い何もせず引きこもりになりました。

しかし、 このままではいけない、自分に何か出来ることはないかと考え、画像編集ソフトしか扱えなかった私はとりあえず、職業訓練に通い一般事務の勉強をしました。

修了する頃に障害者手帳も取得し、IT企業に障害者雇用で雇って頂けることになりました。 障害があるからこそできることはないかと、少し前向きに考えられるようになりました。

しかし、中途視覚障害の為、周りに視覚障害の仲間もおらず右も左もわからない状況でした。そこで、転ばぬ先の杖と埼玉の国立リハビリテーションセンターの白杖訓練に行くことにしました。

訓練の他、視覚障害者の生活についてもアドバイスを頂き、東京パラリンピック2020アスリート発掘プログラムという企画も教えて頂きました。

中・高校と陸上部で体を動かすことが好きだった私は思い切ってその企画にエントリーし、選考を通過、そこから私の新な挑戦が始まりました。

パラリンピック陸上競技(T13女子1500m)の強化選手として、東京パラリンピック2020の出場を目指しました。

国内レースでは日本新記録をマークするこができました。その後、アジア大会に参加するなど、職場の協力もありパラアスリートとして競技に打ち込む日々を送ることができました。

惜しくも東京パラリンピック2020への出場は叶いませんでしたが、障害があっても、何歳からでもチャレンジする心を持つことの大切さを学ばせて頂きました。

病気と闘う人々の支えになりたい、支えられる側から支える側へ

目が見えにくくても人の役に立てる仕事はないか?と考えていた時、日本では鍼灸あん摩マッサージ指圧師という国家資格があることを知りました。

視覚障害者の世界がどういうものか分からず、障害がわかった時点では尻込みしていました。しかし、強化選手で共に頑張る仲間が資格を持っており、具体的なイメージが固まり私は技術を身に着け、支える人間になりたい。

また、見える視野は狭まってしまうけれど、色々な人と話して心の視野を広げて行きたいと思うようになり資格取得を決意しました。 そして都内の筑波大学付属盲学校理療科に入学しました。

アスリート時代はもとより、盲学校鍼灸科では多くの仲間と出会い、そして恩師と呼べる先生から多くを学ばせて頂きました。

医学を一から勉強しはじめ、解剖学、生理学、病理学、診察学、東洋医学などを3年間にわたり学びました。そして、学校の臨床施設では、実際に患者様と接する中で、鍼灸マッサージの素晴らしさを実感するとこができました。

私という存在が、病気や障害で苦しむ人々に勇気を与えられるように 患者さんの苦しみに、しっかりと寄り添える鍼灸マッサージ師として、日々研鑽を積んで参りますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

施術に際して 視野が欠けているため、見える範囲は狭いですが、患者様のお顔やお身体は、問題なく診ることができます。お体のお辛いところについて、ご遠慮なくおっしゃって下さい。

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