突発性難聴 急性感音難聴 鍼(集中治療)

耳鼻科疾患に対する専門的な鍼治療のご案内

現在、耳鼻科系疾患の方を対象とした、専門的な鍼治療の初診受付を再開しております。急な聴力低下、耳閉感、耳鳴り、PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)、原因不明のめまいに対する鍼治療を行っています。

特に、突発性難聴においては、発症初期の段階から集中して鍼治療を行うことで多くの聴力改善例が得られています。治療は予約制です。耳の専門鍼治療1回 7,000円(税込)、初回は別途初診料2,500円がかかります。)ご予約TEL03-5980-7511まで。

突発性難聴に対するオアシス式鍼治療

また、心身のストレスや重度の首肩こりによっても、聴覚障害が生じることがありますので、耳の事でお困りのことがありましたらご相談ください。

突発性難聴に対する集中治療のご案内

突発性難聴の発症から1ヵ月半以内であれば、集中的な治療を行います。2~3日に1回のペースで6回を目途に集中的な治療を行うことで、高い回復率を得ています。

当院は耳周りだけでなく、首肩背中も念入りに治療していきます。通常は耳周辺に12本~30本の鍼を使用します。首から耳周りに「しっかりと鍼をする」ことで、内耳へと交通する椎骨動脈や内耳海綿体毛細血管の血流を増幅させます。

ステロイド治療とも相性が良いと考えています。 症状が重いようなら連続的な治療をお勧めする場合もあります。どうしても都合がつかない方には、1回ごとの治療の刺激量を強くするようにします。

当院の突発性難聴回復例

40代女性の突発性難聴治療例

こちらは突発性難聴を発症した40代女性の聴力検査推移です。発症初期に近隣の耳鼻科でステロイドを3日間内服するも改善せず。発症から1週間後に当院にて鍼治療開始。

別の耳鼻科専門病院でステロイドの点滴を受けながら、並行して当院で鍼治療を受けた結果、発症から約1か月後に聴力がほぼ回復した最近の例です。

30代女性の突発性難聴治療

こちらのオージオグラムは突発性難聴を発症し、当院で治療を行った方の聴力検査推移です。発症5日目から鍼治療を開始し、右聴力ほぼゼロから1か月で大幅に改善した最近の例です。これらのように鍼は劇的に効果が得られる場合があります。

50代男性の突発性難聴治療例

左耳に突発性難聴を発症。一過性の強いめまいを伴って左聴力が60db以下に低下(図)。総合病院耳鼻科受診にてステロイドを1週間服用したが聴力改善せず。

発症後2週間後に、難聴、耳閉塞感、耳圧迫感、強い耳鳴りで当院を受診し鍼治療を開始した例。鍼治療開始後、1か月で左聴力平均30dbまで回復。

発症から2か月後の検査では聴力ほぼ全快(図)となりました。医師からは「(ステロイド無効例で)ここまで著名に回復する例は珍しい」と言われたとのことです。(鍼治療頻度;初めの3週間は1~3日に1回のペースで治療。)

突発性難聴に対する鍼治療

ある日突然、片方の耳が聞こえなくなる!? 突発性難聴とは著明なミユージシャンらが、その病歴を自ら公表したことで知られている突発性難聴は、 ある日突然、片方の耳の聞こえが悪くなるという病気です。聴力障害のほか、耳鳴りや一過性の目眩・吐き気を伴う場合もあります。

朝目が覚めると片方の耳がキーンと閉塞感を伴って、極端に聞こえが悪くなっているというケースが患者さんの中では多く、すぐに耳の異変に気づくことがほとんどです。

万一、突発性難聴の症状が現れたら、症状を放置せず、速やかに病院を受診することが大切です。耳鼻科医院や大学病院などの高次医療機関では、薬物療法、高酸素療法を中心に、状態が重い場合には入院加療を行う場合もあります。

◆突発性難聴の病態
突発性難聴の原因は良くわかっていませんが、蝸牛への血流不全、内耳循環障害が有力視されています。またウィルスや細菌への感染、気圧外傷(スキューバーダイビングなど)、頭部外傷などが原因となる場合があるようです。 鼓膜から耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)へと伝わり増幅された振動は、蝸牛の蝸牛窓から外リンパへ伝わります。

外リンパの振動は内リンパを振動させ有毛細胞などのコルチ器を刺激します。有毛細胞によって振動刺激は電気信号へと変換されます(神経の脱分極)。変換された電気信号は、らせん神経を伝わり、さらに束となった蝸牛神経(内耳神経)を経て、最終的に大脳皮質の聴覚野に伝わり様々な音として認識されます。 神経細胞がこれらの活動を維持していくためには、血液から共有される栄養と酸素が不可欠です。

また、内リンパで有毛細胞が脱分極を起すには膜内外のイオンバランスが正常に保たれている必要があります。また、電気信号を脳へと伝える神経線維の圧迫や炎症、血流不全なども難聴を来す原因となります。

◆発症早期の集中的な鍼治療
突発性難聴は、発症からできるだけ早く治療を開始することが重要です。 突発性難聴は数週間のうちに聴力に改善が得られない場合は、聴力を大幅に失ってしまうこともある難病です。 ステロイドや血流改善薬は全身に強く作用します。

一方で、鍼治療には病巣に直接刺激を与えて滞りを改善する効果があります。また、鍼で局所的な血流を大幅に向上させることで、薬を効きやすくするという効果が期待できる場合があります。ですから、病院での治療と並行して鍼治療もできるだけ早く受けるようにすると、回復率が向上するという実感を、多くの症例より得ています。

突発性難聴の患者さんを何例も治療しておりますと、耳から首への移行部位に、いわゆる病巣(反応点)といわれる箇所を多くの患者さんに発見します。 また、頚部のリンパ浮腫や局所的な冷え、背中の筋肉が極端に張っているなど、聴力以外にも身体に反応がみられる場合が多いので様々な所見を見逃さないことが重要です。

◆治療の流れ(所要50分~60分)
(1) 問診・触診
(2) うつ伏せ位で頸・肩・背中・(手足)への鍼治療
(3) 鍼の刺激を緩和するためのマッサージ
(4) 仰向け、又は横向きで頚部・耳回り・頭部への鍼治療

※当院の治療は個々の症状に合わせて治療を行う完全オーダーメード治療ですので 上記の治療の流れは一般的な例です。

◆突発性難聴に対する治療 1回 7,000円 初回は別途、初診料2,500円がかかります。※治療は予約制です。(TEL 03-5980-7511)

耳の構造と役割

耳は、御存知のとうり感覚器のひとつで、「周囲の空気振動を音として脳に伝える聴覚機能」と「平衡感覚をつかさどる機能」を担っています。耳に問題が発生すると、聴覚に異常(難聴)をきたしたり、耳鳴り・めまいを生じることがあります。

耳は、外耳(がいじ)・中耳(ちゅうじ)・内耳(ないじ)という3つの部位から成り立っています。 人の聴力は通常、20~2万Hz(ヘルツ)の周波数をとらえることができると言われています。日常会話のレベルは200~4000Hzですが、周波数(Hz)が高いほど高音となります。また、加齢とともに高音領域が聞き取りにくくなってきます。

外耳(がいじ)は耳の一番外側の部分で以下の3組織で構成されています。
・耳介(じかい)・・・空気の振動を広く集める集音作用を担う部位
・外時道(がいじどう)・・・筒状の空洞構造により鼓膜に空気振動を伝える部位。
・鼓膜(こまく)・・・鼓膜自体が振動し、その振動が中耳に伝播。太鼓でいう皮張りの部分です。

中耳(ちゅうじ)は空洞な組織です。鼓膜に接した鼓室には、振動を増幅させる3つの骨;耳小骨があります。そして、中耳腔は耳管で鼻とつながっており、喚起および空圧調整の機能を担っています。

内耳(ないじ)は聴覚をつかさどる蝸牛(かぎゅう)と平衡感覚をつかさどる前庭(卵形嚢・球形嚢・三半規管)からなっています。音の情報を脳へ伝える聴覚神経があります。
蝸牛・・・音を感受 前庭・・・重力と直線加速度を感受
三半規管・・・回転速度を感受 蝸牛にはリンパ液が満ちています。 耳小骨の振動でそのリンパ液が揺れ、その揺れを感覚細胞(有毛細胞)がとらえて電気信号に変換します。有毛細胞は蝸牛の内側に並んでいて、その場所によって担当する周波数(音の高さ)がことなり、入口付近は高音、奥は低音を捉えます。電気信号は、蝸牛神経を通って脳に伝えられます。 また、内耳は聞こえだけでなく平衡感覚・速度感覚もつかさどっています。卵形嚢・球形嚢は重力 ・直線方向の動きを感知し、三半規管は回転運動を感知します。

聴力低下
中耳炎や鼓膜の損傷によって生じる聴力低下を伝音性障害といい、内耳から奥にある感音器の障害によって起こる聴力低下を感音性障害といいます。加齢とともに生じる聴力低下は、誰にでも起こりうることですが、これは内耳の機能低下(感音性障害)が原因です。 その他、薬物性難聴、騒音性難聴、突発性難聴などは感音性障害に分類されます。

耳鳴り

耳鳴りは大きく分けて以下の3つに分類されます。

1、生理的な耳鳴り
健康な人でも生じることがある一過性の耳鳴りです。「ジーン」「ボーン」など静かな部屋やエレベーターなど生じることがあります。
2.病的な耳鳴り
自分にしか聞こえない耳鳴りで、「ガーン、ジー、ガー」など様々な聞こえ方で、断続的または継続的に耳鳴りが続きます。内耳の障害が原因であることが多く、聴力低下やめまいを伴う場合があります。
3.他覚的な耳鳴り
本人はもとより、他の人にも実際に聞こえる耳鳴りです。耳周囲の血管の異常、顎関節の異常なので生じる場合があります。

めまい
「めまい」は主に二つの種類に分かれます。一つ目が「回転性のめまい(自分の周囲がぐるぐる回っているように感じる)」、二つ目が「浮動性のめまい(ふわふわ自分が浮いているように感じる)」です。「立ちくらみ」もめまいの一種ですが、これは起立時の急激な血圧の低下が原因で起こるものです。

めまいは多くの場合、聴覚器官の異常が原因です。内耳中にある三半規管(3本の管)にはリンパ液が満たされていて体の動きとともに移動するリンパ液の状態を脳が感知して、平衡感覚や運動感覚を認識しています。この三半規管に異常が、めまいの症状となって現れるのです。

一方、脳の異常からめまいが起こる場合もあるので、一度は精密な検査をお受けになることをお勧めいたします。

椎骨動脈血流障害によるめまい
首の骨の変形やコリで脳への血流が低下してめまいが起こりますが「鍼灸治療」がの良い適応となります。

性発作性頭位めまい
顔を上げた時や寝ている間に寝返りをうったときに起こりやすく、めまいが1~2分続きます。症状が治まっても、繰り返し起こすこが多く、中高年に多い症状です。

メニエール病
回転性のめまいに耳鳴り、聴力低下を伴うのが特徴です。心労やストレスが原因の一つと言われています。